<特集1>編集者が「出張を前乗りしてもまた行きたい!」別府の名店3選
別府に来たら網羅したい、おいしすぎる牛、豚、麺!
東京の編集者が出張で大分を訪れるたびに、「取材のときに前乗りしてでもまた食べたい」「別府に行ったらこれは外せない」と絶賛するお店の数々。美食のまち別府から、編集者イチ推しの3店をご紹介します。
地下から噴き上がる蒸気の勢いさながら、胃袋の準備も万全で向かいましょう。
〈焼肉ホルモン 一力〉極上お肉を焼きと刺しで贅沢に
創業から50年、半世紀続く人気の焼肉店です。
17時、そっと扉を開けていざ入店。
蛍光灯に照らされたカウンターにガスロースターが並び、テキパキと準備する店員さんたちで活気に満ちた空間が出迎えてくれます。
編集者コメント: 「出張で別府に来るたびに気になっていた赤提灯の一力さん。ちょっと勇気を出して暖簾をくぐってみたら、期待通りの味のあるいい雰囲気。カウンターで隣になった地元のおじさんに『ぜひ食っていけ』と言われたのがシン刺し。もちろん焼肉も絶品です!」(編集者A)
今回は地元の方もイチ推しの「シン刺し」と一力さんでほとんどの人が頼むという、おおいた豊後牛(おおいた和牛)A5ランクの「極上ロース」をオーダーしました。シン刺しが870円、ロースが1350円というから驚きです!
テーブルに運ばれてきたお肉は艶々。早速、いただいてみましょう。
焼き上がった極上ロースをひと口食べると、最初に感じられるのは脂の甘み。継ぎ足しでつくられるフルーツたっぷりの自家製タレも絶品で、砂糖不使用の自然な甘みとピリ辛味にファンも多いのだとか。お肉の臭みがまったくなく、爽やかさすら感じる香りと、後味がさっぱりとしているのでどんどん箸が進みます。
しっかりとした歯応えがあるのにかたさはなく、赤身の他の部位よりさっぱりとした味わいです。「シン刺しってこんなにヘルシーなんだ」という驚きと、想像以上の新鮮さに目が覚めるほど!
一力のメニューはヒレ角切や、ロース、カルビ、ミノ、タン、ホルモンなどがランクに別に14種類。刺身はミノ刺し、シン刺し、生センマイの3種類。その他は野菜やスープ、キムチ、ご飯といたってシンプルです。
100年の歴史がある大分県のブランド和牛・おおいた豊後牛(おおいた和牛)。大分県では多くの和牛農家さんが繁殖や肥育に長年力を注いできたからこそ、おいしい新鮮なお肉がこうやって身近で食べられるのですね。
店舗情報
店舗名:焼肉ホルモン 一力
住所:大分県別府市駅本町6-37
営業時間:17:00〜0:00
定休日:木曜
TEL:0977-24-6783
店舗名:焼肉ホルモン 一力
住所:大分県別府市駅本町6-37
営業時間:17:00〜0:00
定休日:木曜
TEL:0977-24-6783
〈味の高麗房〉店主自慢のとろける蒸し豚が絶品!
店先で迎えてくださったのは、店主の山下守さん。気さくでにこやかなご主人に案内され、編集者おすすめのメニューをいただきます。
編集者のコメント: 別府にはおいしいものがたくさんあるので違う店にも行ってみたいけれど、引き寄せられるようにまた入ってしまうのが〈高麗房〉。にんにく料理専門店という看板のとおり、店内に入ると大量に吊るされたにんにくに圧倒されますが、食べ始めたらにんにくの臭いなんて気にならないおいしさ。「蒸し豚」はまず食べてほしい。何より明るくフレンドリーなお父さんとお母さんが、この店のファンを増やしていると思います。(編集者B)
店のメニューは全部で240種類もあるそうですが、定期的にメニュー表から外す料理や追加する料理があるそうで、お客さんが飽きないように毎年少しずつ変化させているのだとか。
「しょっちゅう海外に食べ歩きの勉強に出かけるんです」と話す山下さんは、現地で気になる料理があればノートに鉛筆でメモを書き込み、店に戻ると試作をし、黙ってお客さんに出してみるそう。そこで1年ほど様子を見て、反応がよければメニューに加えるのがいつもの流れなのだといいます。
山下さんが昔、食の研究でアジアを周っていたころ、中国や韓国に「蒸した豚がない」ことにヒントを得て、試作を重ね生まれたメニューなのだそう。蒸すことで余分な脂が落ち、うまみがぎゅっと閉じ込められるといいます。サンチュと特製タレ、自家製キムチや生にんにく、薬味を添えていただきましょう。
研究を重ねできあがった蒸し豚は、さっぱりしていくらでも食べられる看板メニューに。高麗房は女性客も多く、いくら食べても全然胃が疲れないので好評なのだそう。
開店すると続々とお客さんが入り、ママさんは厨房からオーダーを聞き、何人前もの料理を捌いていきます。山下さんは予約電話を取りながら、馴染みのお客さん全員に声をかけて話に花を咲かせます。
「お客さんが『もうちょっと辛いのが好きやな』と席で会話しているのを耳にしたら僕が出てきて、『辛いの好きですか?』と辛いタレをすぐ出す。すると『わ〜うめ〜!』と感激してくれる。そういう風にお客様の様子を見ながらキャッチする。それが我々の仕事です」
山下さんの好きな言葉は「味一筋に信念を貫く」。
「基本は滋養食。うちの料理を食べたらみんなが健康で元気になってほしい。そういう願いで料理をつくっています」と語る山下さんの料理は、多彩な経験から生まれた体にやさしく温まるものばかりでした。
店舗情報
店舗名:にんにく料理 専門店 味の高麗房
住所:大分県別府市元町5-8
営業時間:19:30〜翌1:00
定休日:月曜、第1・第3日曜
TEL:0977-26-0454
店舗名:にんにく料理 専門店 味の高麗房
住所:大分県別府市元町5-8
営業時間:19:30〜翌1:00
定休日:月曜、第1・第3日曜
TEL:0977-26-0454
〈六盛〉自家製スープと麺が秀逸。シメに食べたい一杯
編集者のコメント: 別府グルメと言えば、別府冷麺もそのひとつですが、有名店ながらオススメなのは〈六盛〉。しかし、ここでは通ぶって「中華そば」をオススメしたい。醤油ベースのシンプルな一品。黄金色のスープは上品な口当たりで、細麺も丁寧な仕事ぶりが伺えます。シメの一杯にどうぞ。(編集者A)
3店舗あるうちの松原本店を訪れました。
別府市内では「別府冷麺」の看板をよく見かけますが、そもそも別府冷麺のルーツは、昭和25年頃、当時満洲に住んでいた日本人が引き揚げて来て開いたお店が始まりなのだとか。
六盛は、創業者である関屋さんご夫婦が日常で食べていた別府冷麺の味が忘れられず、「あのお店のようにおいしい冷麺を自分たちの手でつくってみよう」と冷麺づくりを始め、当時の酒屋をやっていた場所で2001年に六盛をオープン。それから23年、昔ながらの別府冷麺の味の研究を追求し続けてきました。冷麺だけでなく、温麺や中華そば、とんこつラーメンなどを出す実力派の人気店です。
オーダーを受けてから製麺機で麺を絞り茹でていきます。
小麦粉、そば粉、でん粉、塩のみのシンプルな材料でできた自家製麺と、昆布と牛スネなどをじっくり煮込み醤油をブレンドしたオリジナルのスープが特徴です。
なんでもご主人はラーメン店などで一度も修行をしていないそう。これまで食べた別府冷麺の味を思い出し忠実に再現しようと、妥協せずおいしさを追求してこられたのだといいます。
夏はもちろんのこと、冬でも温泉上がりのシメの一杯に注文される方も多いとのこと。
美しく盛り付けられた別府冷麺を目の前にすると「別腹」というワードとともに、再び食欲が湧いてきます。
しっかりコシのある太麺と、出汁が濃厚なのにクリアなスープがなんとも秀逸で、牛の旨みが濃縮されたチャーシューに酸味のある自家製キムチの調和がたまりません。
直火で焼かれた豚肩ロースのチャーシューが乗った中華そばも、冷麺と1、2位を争う人気メニューなのだそう。これから寒くなる時期は、やっぱりあたたかいラーメンが恋しくなります。
焼きあご、羅臼昆布、煮干しをふんだんに使った出汁に、親鶏、鶏ガラのスープを合わせた醤油ラーメン。しっかり焼かれた豚チャーシューの存在感が際立ちます。
スープをひと口啜ると、あごや昆布と鶏の出汁が合わさった絶妙な味わいが広がり、ストレートの細麺が絡んでいくらでも食べられてしまいます。冷麺と同じく、混ざり気のない奥深い味わいが印象的。濃厚なのに透明感のあるスープが喉を通ると、疲れたからだ全身に染み渡っていくようです。
良質な素材だけを使った、味わい深いそれぞれの一杯を堪能しました。
「創業者のお義父さんから受け継いだ味を守って、丁寧さを心がけ妥協せずにつくり続けたい」と話します。
毎週通う人がいるのもうなずける、唯一無二のおいしさをぜひ楽しんで。
スープがなくなり次第終了なので早めの訪問がおすすめです。
店舗情報
店舗名:手のべ冷麺専門店 六盛 松原本店
住所:大分県別府市松原町7-17
営業時間:11:30〜14:00/18:00〜20:00
※スープがなくなり次第終了。
定休日:水曜
TEL:0977-22-0445
店舗名:手のべ冷麺専門店 六盛 松原本店
住所:大分県別府市松原町7-17
営業時間:11:30〜14:00/18:00〜20:00
※スープがなくなり次第終了。
定休日:水曜
TEL:0977-22-0445
別府の夜のまちには、その個性的な魅力を輝かせ、地域の人や旅行者の体や心を満たす、エネルギーに溢れた名店がいくつもあります。
地元ならではの食のおいしさはもちろんのこと、店主や常連さんとの掛け合いもまたおもしろいもの。編集者が再びお店に現れるのもそう遠くないはず⁉︎
Credit text & photo COLOCAL(マガジンハウス)
文・林真世
写真・嶋井紀博
地元ならではの食のおいしさはもちろんのこと、店主や常連さんとの掛け合いもまたおもしろいもの。編集者が再びお店に現れるのもそう遠くないはず⁉︎
Credit text & photo COLOCAL(マガジンハウス)
文・林真世
写真・嶋井紀博
