<特集4>津久見湾に広がる、小さな港町の工場夜景に魅せられて
大分県に「セメント町」という地名があるのをご存知ですか? そのまちは、大分県津久見市の中心部に位置しています。
津久見市はセメントの原料となる石灰石の産地として知られ、市の一部に「セメント町」という地名がつけられるほど暮らしのなかに根づき、古くからセメント産業と共に発展してきたまちです。
今回は、のどかな港町に立ち並ぶ工場地帯を巡りながら、おすすめの夜景スポットをご紹介します。
津久見市はセメントの原料となる石灰石の産地として知られ、市の一部に「セメント町」という地名がつけられるほど暮らしのなかに根づき、古くからセメント産業と共に発展してきたまちです。
今回は、のどかな港町に立ち並ぶ工場地帯を巡りながら、おすすめの夜景スポットをご紹介します。
日本の石灰石産業を支えてきた「セメント町」
津久見の石灰石は、江戸時代に発見、採掘されたのが始まりと伝えられています。津久見の石灰石にはカルシウム成分が多く含まれているため、とても質の高いセメントなどをつくることができるそうです。
東九州の主要都市を経由する日豊本線が開業し、1916年に臼杵駅・佐伯駅間が開通すると、翌年からセメント生産が相次いで開始され、まちの中心産業となっていきます。また、リアス海岸である津久見港は水深がとても深いため、6万トンクラスの大型船が接岸して、一度に多くの石灰石やセメントを運ぶことができます。
鉱山から工場、そして出荷するための港までの距離がとても近いため、津久見は「日本一の石灰石のまち」となったのです。その生産量は年間約2500万トンといわれ、現在でも国内有数の量を誇っています。
「自分、釣りは今日が初めてなんですよ!」と、うれしそうに釣りたてのカマスを見せてくれます。セメント産業が根づくこのまちでは、一方でこんな日常の風景も広がっています。
暗くなるまで、名物マグロ料理に舌鼓
さて、津久見市はもうひとつ、「マグロのまち」としても知られています。津久見港から約14キロの豊後水道に浮かぶ保戸島は、明治時代から続くマグロ遠洋漁業の拠点として栄え、全国でも有数のマグロ水揚げ量を誇っていました。
市内にはマグロの加工場が点在し、養殖本マグロ〈豊後まぐろ ヨコヅーナ〉の産地でもあります。市内にはマグロ料理を提供する飲食店も増え、まちの新たな観光資源としても一役買っています。
腹が減っては夜景観賞はできぬ! ということで、まずは市内の食事処でマグロ料理を食べるのがおすすめです。
マグロをはじめ新鮮な魚介料理が食べられる〈浜茶屋〉の人気メニューは、郷土料理「ひゅうが丼」と、オリジナルで考案された「まぐろステーキ」。地元で知らない人はいない郷土料理ですが、そもそも「ひゅうが丼」とは?
「保戸島の漁師が過酷な漁の合間に手早く栄養がとれるようにと考案された漁師飯です。名前の由来は、船上で突風が吹き“ひゅーひゅー”と音が聞こえていたことからこの名がついた、など諸説あります。
マグロのぶつ切りを醤油や砂糖を合わせたタレに混ぜ込んで、炊きたてのご飯の上にのせて食べる豪快な漁師飯。過酷な遠洋漁業の疲れを癒すために、味つけは甘めです。香ばしいすり胡麻やねぎなどの薬味をのせ、仕上げに卵の黄身を加えて濃厚かつマイルドに仕上げるのが、うちのひゅうが丼の特徴ですね」と、浜茶屋の板長・簑部雅人さんが教えてくれます。
鉄板ではなく溶岩プレートで焼くのがポイントだそうで、厨房では両面をさっと炙る程度にとどめます。溶岩の上でじっくり熱が伝わっていくので、食事をしながら好みの火入れ加減のマグロが楽しめるという趣向。
「最初はレアで、その後好みのタイミングでもやしの上に避難させちゃえば、熱々のまま堪能できますよ。味つけはシンプルなニンニク醤油と、さっぱり和風のカボスソースもご用意しています」と、簑部さん。
つけ合わせのもやしも、マグロ同様しっとり&カリカリと火入れによる食感の違いが楽しめて、マグロとソースの旨みをたっぷり吸ってグングン箸が進みます。
店舗情報
店舗名:浜茶屋
住所:大分県津久見市千怒6029-1
TEL:0972-82-8302
営業時間:11:00~15:00(14:30L.O.)、17:00~20:00(19:30L.O.)
定休日:火曜(月曜は昼のみ営業)※月曜祝日の場合は月曜営業、水曜は昼のみ営業
店舗名:浜茶屋
住所:大分県津久見市千怒6029-1
TEL:0972-82-8302
営業時間:11:00~15:00(14:30L.O.)、17:00~20:00(19:30L.O.)
定休日:火曜(月曜は昼のみ営業)※月曜祝日の場合は月曜営業、水曜は昼のみ営業
セメント町の夜景をパシャリ
津久見ならではのセメント町の光景を満喫し、名物料理で腹ごしらえをしているうちに、次第に夜の帳が降り始めます。さあ、いよいよ工場夜景スポットへ。
撮影ポイントは〈つくみん公園〉と、先ほどの堅浦エリア。目の前に広がるのは、海岸沿いにずらりと立ち並ぶ工場群。点り始めた工場の灯が穏やかな水面にゆらめき、絵の具が溶け出すような幻想的な水光を描きます。
Credit text & photo COLOCAL(マガジンハウス)
文・西野入智紗
写真・ただ(ゆかい)
